パリのおすすめカフェ

モンパルナスのドーム
モンパルナスのドーム

 「今度パリに行くんだけれど、どこのカフェに行ったらいい?」そんな質問にお答えして、パリの良さをしみじみと味わえるカフェをご紹介します。パリに山ほどカフェはあれど、残念ながらいいカフェはそう多くありません。それはレストランも同様です。街角のお店にちょっと入ってみたらがっかりした、というのはよく聞く話。パリではいいアドレスを知っているかどうか運命の分かれ道。本当にいいお店は少ないとはいえ、今でもきちんと存在します。もしパリのカフェを楽しみたいなら、「疲れたし、まあいっかここで」と妥協せず、是非素晴らしいカフェへ足を伸ばしてみて下さい。

カフェ・ド・フロール  Café de Flore

フロールのテラス
フロールのテラス

 いわずと知れた歴史的カフェ、ですが。
私はやっぱりここが好きだし、独特の神聖さが今でも漂っている気がします。
 
 フロールの輝かしい歴史は、1911年に詩人のアポリネールたちがここを雑誌の編集部として選んだことから始まります。アポリネールはこの店で詩の集いを開催し、沢山の人たちがこの店のテラスで出会います。後のシュールレアリストとなるアンドレ・ブルトンとフィリップ・スーポーもこの店で出会うことになるのです。
 
 1940年代には映画監督のジャック・プレヴェール一派が中心となり、映画関係者たちが集まる店に。サルトルやボーヴォワールもそんな店の雰囲気に惹かれ、モンパルナスからサン=ジェルマン・デ・プレへと足を伸ばすようになったのです。第二次世界大戦中でも営業を続けていたフロールはパリの知識人達の真の避難所となります。パリがドイツに占領された時でも、この店に入ってきたドイツ人兵士が店気後れしてすぐに出て行くほど、フロールには独特の空気感がありました。そして戦後は実存主義者の集ったカフェとして、瞬く間に世界にその名を轟かせるようになるのです。
  
 フロールでおすすめの場所はやっぱりテラス。フロールの朝の光はとても美しいし、そこで飲むカフェ・クレーム(エスプレッソに泡立てたミルクを加えたもの)と、大きなクロワッサンをほおばれば至福の時間が訪れます。
 
 なんとなく何かが起こりそうな雰囲気がまだ漂っているカフェ・ド・フロール。結局いつもパリに来ると、真っ先に足を運んで自分の居場所を確かめるのはこの店です。
 
メトロ 4番線 St-Germain-des-Prés サン=ジェルマン・デ・プレ
172 boulevard Saint-Germain 75006
 

オー・ヴュー・コロンビエ Aux Vieux Colombier

亜鉛のカウンター
亜鉛のカウンター

 ここは留学時代に行きつけだったカフェ。インテリアはアールヌーヴォー調で、ガラス窓を支えている緑の木枠がとても美しいお店。サン=ジェルマン・デ・プレの目と鼻の先にあるのに気取らず、値段もリーズナブル。ご飯もけっこう美味しいし、カフェだけぼーっと道行く人を眺めることも。私はここでいろんな出会いを経験したのでとても思い出深いカフェです。亜鉛の円形カウンターも見物。この目の前にあるカフェ・ドゥ・メトロも活気があってパリのカフェらしさが味わえるお店です。
※2014年秋に訪れた際、愛着のある店内が見事に壊されていたので、今ではリニューアルまたは別のお店になっているかもしれません。
 
 
メトロ4番線 St-Sulpice サンシュルピス駅目の前
65, Rue de Rennes, 75006
 

カフェ・シャルボン Café Charbon

 カフェ・シャルボンはオペルカンフ界隈で一番有名なカフェ。年代物な感じのカウンター、いつ来ても全く変わらない雰囲気の店内は何だか安心感があります。時代を感じさせる踊り子の絵、埃をかぶったカクテルのメニュー・・・とても趣のある店です。シャルボンは特に何が美味しいというわけでもないし夜はBGMがうるさいですが、何故かここでなされた会話はいつも熱くて私の人生に大きな刻印を残す様なものばかり。だからオペルカンフで誰かと語りたいなら他のカフェではなく、やっぱりここを選んでしまうのです。
 
 オペルカンフでゆっくりするならL'autre café(ロートル・カフェ)もおすすめです。こちらの方が普通の声で会話をしたり、仕事はしやすいことでしょう。
 
メトロ 3番線
Parmentier パルメンティエ、Rue St-Maur リュ・サンモー
109 Rue Oberkampf, 75011 

シェ・プリュンヌ Chez Prune

テラスはいつも人で一杯
テラスはいつも人で一杯

 サン・マルタン運河のほとりにある、センスのいいカフェ。気取らない感じの店員さん。人々の話し声でざわめく店内。決して広くない店内はいつもほとんど満員です。ご飯もとてもおいしくてリーズナブル。色とりどりな盛りつけを見ただけで元気がでそう。ここのミントティーは2ユーロでとってもおすすめ!ここにいる人たちを見ていると、ああパリって活気があって、やりたいことやりたいようにやってて楽しそうだなあ!私もそんな風になりたい・・とつい思わされてしまうのです。

 

メトロ5番線 Jacques Bonsergent
36, rue Beaurepaire 75010  

 

ル・ドーム Le Dôme

夜のドーム、美しいんです
夜のドーム、美しいんです

  モンパルナスの歴史的カフェ ドーム。モンパルナス大通りはバスも通るうるさい大通り。けれどもたった一枚のガラスで下界と隔たれた店のテラスはいつもシーンとしています。ちょっと高そうな店のドアを開け、えいやっと入ってみただけで、禅寺にいるかのような不思議な静寂が味わえる。その度にしみじみパリに来てよかったなという感覚を味わいます。この店にはボーヴォワールも足しげく通い、執筆していました。ここなら何かができる気がする、そんな気にさせてくれるドームのテラス。カフェクレームは本当に美味しく、実際には3ユーロ台ととてもリーズナブル。いつまでも長居したくなる、時間を忘れるテラスです。
 
 パリカフェツアーの感想でもドームのテラスが一番印象に残ったという方がいました。そしてこの店のカフェ・クレームが一番美味しかったという方も。まさに同感。
 
メトロ4番線 Vavin ヴァヴァン駅目の前
108 Boulevard Montparnasse 75014 
 

ブラッスリー・ウェプレール Brasserie Wepler

広々とした店内です
広々とした店内です

 右岸の誇り高きブラッスリー・ウェプレールには夜でも21ユーロ程度という、信じられないほどお得なコースが。しかもめちゃくちゃ美味しく、生ガキは絶品!パリに来たらこの店で生ガキを味わわずにはいられません。火を加えた料理は焼き加減が絶妙で、デザートのウフ・ア・ラ・ネージュという卵白を使ったお菓子はふわふわで天にも昇る心地。ボリューム満点のシュークルートも有名です。
 
 ギャルソンも動きがきびきびして格好よく、カフェで働く方は必見のお店では。カフェスペースもありますが、白いテーブルクロスが敷かれた席に座ってちゃんと食べる方をおすすめします。
 
 ウェプレールに関する詳しい情報はParis-Bistro.comをご覧ください。
 
メトロ2番線 Place de Clichy プラスドクリシー 駅目の前
14, Place de Clichy 75018 

ラ・パレット La Palette

カウンターの横手に奥の部屋が
カウンターの横手に奥の部屋が

 パレットは高いし味もほどほどですが、奥の席の雰囲気は格別。ここは国立美術学校ボザールのすぐ近くにあり、画家たちの絵がたくさん飾ってあるので有名です。パレットの奥の席に座ってぼーっとしているとはて、私は今どこの時代にいるのだろう、、、とタイムスリップしてしまいます。 
 
メトロ 4番線 St-Germain-des-Prés サンジェルマン・デ・プレ、Odéonオデオン
43, Rue de Seine, 75006 

カフェ・ゾイド Café zoide

2階にはおもちゃやアトリエが
2階にはおもちゃやアトリエが

 ここはパリの子育てカフェの先進的存在で、この店からいくつかの子育てカフェが派生していったそう。
 
 もともとは子供がお茶をするためのカフェだったそうですが、今では大人も子供も視察の人もアフリカ人乳母も、老若男女、本当に多種多様な人たちがやってきます。19区は移民の多い地区なのですが、様々な人種の人が混ざりつつ、フランス語で会話するけど、食べるものは各自異なる、そんなフランスの今を感じられる雰囲気が。(インド人乳母達が手作りカレーを持ち込みして食べていたり・・・)朝には生演奏付きの音楽の時間があり、我が子はそのおかげでフランスの童謡を学びました。2ユーロ払うと子供はそのアトリエに参加でき、好きなおもちゃでいつまでも遊んでよく、かつお昼ご飯が食べられる!大人は4、5ユーロでお昼が食べられます。日本にも児童館はあるものの、児童館的な雰囲気の中大人は新聞を読んだり朝のエスプレッソを飲んだりできる。それってなんて贅沢なことなんだろうと痛感したのを覚えています。お昼ご飯は多国籍で、でクスクスやパスタ、初めて見る国の料理など、基本的にとても美味しい。1階のカウンターではカフェも手作りのお菓子もあり、ジュースはオーガニック。子連れじゃなくてもお茶できる、一見の価値あるカフェ。まさにパリ19区のサードプレイス?
 
メトロ 5番線 Laumière ロミエール、7番線 Crimée クリメ
92 bis Quai de la Loire, 75019
 
 

カフェ・ド・ランダストリー Café de L'industrie

いつも光が美しい店内
いつも光が美しい店内

 バスチーユのマルシェ付近のとても素敵なカフェ。何が素敵かというとまず内装。奥行きのある店内にはあちこちに観葉植物が置かれ、黄色みがかった時の流れを感じさせる壁には、古びた絵画がところ狭しと並びます。数々の間接照明。蚤の市で買って来たような沢山のオブジェやバラバラだけど統一感のある木製の椅子・・・気負わないけどすごくセンスのいい空間づくりに脱帽です。
 
 向かい合って3軒くらい店があるので、混んでいても奥の奥の席などがあり、団体でも座れます。しかも美味しくて安いのです!鴨のコンフィはどこでもけっこう高いですが、ここでは約13ユーロ。何を頼んでも相当美味しく、かつサービスが速い。店員さんも気楽な雰囲気で、誰かの家でくつろいでいるみたい。つい長居したくなっちゃうお店です。パリカフェツアーでも訪れ、どれを食べても美味しい!と好評でした。
 
メトロ 5番線 Bréguet-Sabin
17 Rue St Sabin,75011 

市立ロマン派美術館のカフェ Café du Musée de la vie romantique

緑豊かなテラスです
緑豊かなテラスです

 パリにはいくつか入場無料で入れる美術館があるのですが、市立ロマン派美術館もその1つ。わかりにくい場所ですが、ごみごみしたパリの中でオアシス的なカフェ!しかもわかりにくい場所なのでそんなに混んでいないのです。大きな木があり、鳥たちもいておいしい手作りのケーキに舌鼓をうちながらまったりしてると人生は美しい・・・La vie est belle...という気分になります。ここのレモンケーキの味は今でも忘れません。ホロっとした生地でとても美味しかったです。モンマルトルの喧噪に疲れたらぜひ!
 
 
16,rue Chaptal