パリに初めてカフェという場ができたのはフランス革命より前のこと。サン=ジェルマン・デ・プレ近辺で何人かの人たちがオリエント風のカフェを作っては失敗し、初めて成功したといわれるのがプロコープ。これは1686年にフランチェスコ・プロコピオという人物が同じくサン=ジェルマン・デ・プレの近くに開いたフランス風のカフェ。プロコピオは商才に長けた人物で、フランスで初めてカフェを成功させただけでなく、故郷のシシリアからうっとりするような香りのアイスクリームを仕入れ、パリでアイスクリームを広めたのも彼なのです。彼はお店が上流階級に受け入れられるよう、シャンデリアや鏡、大理石のテーブルなどを使用し、上質な空間でのきちんとしたもてなしを大切にしました。この様式はパリのカフェのスタイルとして定着していきます。プロコピオはお客さんを喜ばせるためのアイデアを次々と考えだし、確実な成功を手に入れた人なのです。