東京カフェガイド

 世の中にはカフェがないと生きられないという人もいます。かくいう私もその一人。生きるためにカフェに行くのか、カフェに行くために生きているのか?たまにわからなくなってしまうほど。高級なカフェにはなかなか通えませんが、それなりにリーズナブルでいいカフェもあるものです。東京でおっと思ったカフェをいくつかご紹介します。

Anjin  代官山

 代官山の蔦屋書店にスタバがあるのは有名ですが、2階にもっと素敵なカフェがあるのをご存知でしょうか。このカフェには秘められた雰囲気があり、どこへ続くとも知れない階段を上がるのにちょっと勇気がいるでしょう。けれど階段を上ってみるとそこにはあっと驚く世界が広がります。壁には屏風絵のような大きな絵が広がり、藤田嗣治の世界を思わせます。残りの壁面には山のような雑誌が並び、カフェに座ればそれらを自由に手に取ることが可能。デザインの雑誌、建築雑誌、芸術新潮、フランスの雑誌・・・これら目当てにわざわざ立ち寄る編集者も多いとか。
 
 コーヒーは一杯800円で、軽食となるとかなりのお値段。それでもここに流れる上質な時間といったら本当に別世界。高級ホテルのバーのような空間ですが、朝9時から開いています。素敵な器で出される丸山珈琲の珈琲には一口サイズのお菓子も添えられていて、それがまたよく合うのです。スタバの3倍の値段がしても、ついこの店に足を運んでしまうのは、ここにいると、他の店では生まれなかった何かが生まれるような気がしてしまうから。黒い長方形のシックな大テーブルには、中央に電源が隠されているらしく、コンセントを差し込むことが可能。ここもまた、長居、仕事を目的としてくる人たちのことを考えてくれているカフェなのです。東京で一番行きたいカフェはここかもしれません。
 
代官山駅徒歩8分 代官山T-SITE内
東京都渋谷区猿楽町17−5 
AnjinのHP

スターバックスコーヒー TSUTAYA TOKYO ROPPONGI店

 私がスタバを訪れるのは別にスタバが大好きだからではなく、Wi-Fiがあるというのがかなり大きな理由です。どこのスタバでもWi-Fiはあれど・・・六本木のスタバには素晴らしいサービスがあるのです。TSUTAYAとつながっているこちらのスタバはどの本でも自分のテーブルまで持って行って読むことが可能。そんな店、最近増えているのかもしれませんが、個人的には経験したのがはじめてなのと、私にまさにピンとくる本ばかりのお店だったので、もう一日中居たい!!と心底思わせてくれた店でした。
 
 お金がなくても本が読める。図書館はそういうところ。けれども普通本の隣でコーヒーは飲めないし、新刊でまさにこれ面白そう!!という本はなかなか図書館だとなかなか自分の手にまで届きません。ところがこのスタバに来れば5年来の夢だった、のんびりと面白そうな本を読むことがたった300円で実現できる・・・!本当に素晴らしいお店です。空調もきつすぎず、冷房嫌いな私には珍しく本当に長居できる店でした。本とパソコンとWi-Fiとコーヒーと軽食があるならば・・・本当に一日中過ごせます。広い割にゆったりしていて、席数があまり多くないので、午前中に行くのがおすすめです。
 
地下鉄六本木駅徒歩10分 麻布十番駅 徒歩8分
東京都港区六本木 6−11−1 六本木ゲートタワー
 

クルミドコーヒー  西国分寺

クルミのサービスもあるんです
クルミのサービスもあるんです

 いつ訪れても間違いなく温かい時間が流れている、西国分寺のクルミドコーヒー。その理由はといえば、やはり店員さんのあたたかさ、これに尽きると思います。クルミドは私も働かせてもらったことがあり、色々な想いもあってなかなか客観的に書けません。やりきれない想いを抱えた時や、不安で仕方のないときなどに、大きな木の根もとのような店内で時間を過ごせば、きっと癒されると思います。ゆっくりポタポタ落ちていく、こだわりの水出しコーヒー、ポットでサーブされる紅茶にハーブティ。クルミドは長居が可能で、店員さんは本当に嫌な顔ひとつせずに長居を見守ってくれるのです。どこまでも素材にこだわり、丁寧につくったクルミドサンドやクルミドケーキクリームは食べると元気が湧いてきます。私はこれを味わってからしばらくの間、普通のパン屋のパンが味気なさすぎて食べられなくなったほど。自分を癒してあげたいときに、ゆっくりとした時を過ごしに、思い切って電車に乗ってみる。そんな価値のあるお店です。
 
 ちなみに拙著「カフェから時代は創られる」も置いてもらっています。ドリンク片手に是非どうぞ。
 
※休日はかなり混んでいるかもしれません。ゆっくりしたい場合は是非平日に・・・
 
クルミドコーヒー 650円
クルミドサンド 550円
JR中央線 武蔵野線 西国分寺駅徒歩2分
 東京都国分寺市泉町 3−37−34
クルミドコーヒーのHP

カフェフーケ 二子玉川

 このカフェは子供だった私にパリへの憧れを抱かせたカフェ。大人になってみたい、と思わせてくれたのもこの店でした。15年以上経った今でも華やかさを保ち続ける玉川高島屋。その奥に変わることなくひっそりと佇むカフェ、フーケ。何年かぶりに店の扉を開けたのは、このあたりでは珍しい、夜でも入れるカフェだったから。ケーキがすっごく美味しくて、カッコいいけどかなり高い。そんな先入観とは裏腹に、夜には意外なセットがありました。小ぶりのグラタン、タパスのセットなどは1000円くらいで飲み物までついてきます。それに200円ちょっとで楽しめる小さなビール、これは本当にありがたい。それだけではお腹こそ一杯にならないものの、他に自家製パンの詰め合わせ210円や、カレーパン250円、それに風変わりな小さなツナサンドもあり、こちらはなんと130円。パンをこんがりトーストしてくれ、130円とは思えないほどの質の良さ!そう、この店では大人の上質さを味わうことができるのです。ああ大人になったんだ。幅の広い赤いカウンターに腰かけてワイングラスを傾ける。ここは夜も開いてるカフェだから、美しい器に入れられる紅茶も、ネルドリップのコーヒーも、カクテルを楽しむこともできるのです。


 細長く狭い店内は中庭に面した扉が開け放たれて、意外な開放感まで味わえます。どうしてここはこんなにも落ち着いていて、まるでヨーロッパに来たかのような気分になれるんだろう?きっと実際のパリのカフェはもっとざわざわした雰囲気なのに。しいて言うなら、緑に包まれたテラスもあり、上質なバーカウンターが有名な高級なカフェ、クローズリーデリラがここに近いのかもしれない。日本的な上質さ、穏やかさ、喫茶店特有の静けさがある。一方で独特の開放感とリラックスした空気を味わえる。ここはパリ?いやパリじゃない。日本?そう、二子玉川の奥に佇むカフェ、フーケ。こんな店でしょっちゅう仕事帰りにお酒を楽しめたなら人生は楽しいかもしれない。

Viron 渋谷

籠には山盛りのパン!
籠には山盛りのパン!


 小さい頃、渋谷東急Bunkamura界隈、と言えば高級というイメージでした。そんなイメージに拍車をかけるかのように登場したフランス風のパン屋さん、いや、ブランジェリーとカタカナで呼んだ方がふさわしい、高級感を放つワインレッドの外観が印象的なヴィロン。2階にはブラッセリーがあるようだけど、階下に値段は書いていない。何十回とその前を通り過ぎたものの開けられなかった扉を、えいやっと開けることができました。


 1200円で11時までというモーニングセットにはコーヒーまたは紅茶と2種類の好きなパン、それにバゲッドやジャムなどがついてきます。1200円で2種類か、と思ったものの、テーブル上の籠にはジャムと合いそうなパンが山盛り。それに加えてクロワッサン、パンオレザン、ショーソンオポム、パンオショコラ、パンオレ、ブリオッシュなど、フランス並のボリュームのパンの中から2つを選べる!結局こんなに食べれるの??という人が続出するらしく、持ち帰りように袋まで用意してくれるのです。

 フランス流の濃厚なハチミツに、ノワゼットのペースト、アプリコット、カシス、桃、ブルーベリーなどのジャムが瓶ごとずらりとテーブルに置かれます。全種類味見しようとするとそれだけでお腹一杯!それにしてもここのバゲットの美味しかったことといったら!こんがり茶色く焼きあがった皮が例えようもないほどカリッとしていて、これは東京一美味しいバゲットでは、、、?と思うほど。こんなに美味しいパンが渋谷で1200円代で食べられるならパリに行く必要もないかしら?

渋谷にはBunkamuraドゥ・マゴにアカデミー・デュ・ヴァンもある。なんだか随分とフランスのいいものが味わえてしまう街なんですね。

東急BunkamuraとH&Mのビルの丁度間くらいです。

DEEN&DELUCA 丸の内店

大抵店内には外国人がいます
大抵店内には外国人がいます

 ずいぶん前にクルミドコーヒーの影山さんとお会いする際、このカフェが待ち合わせ場所に指定されていて、影山さんの選ぶカフェは違うなあ!と思ったもの。DEEN&DELUCAの支店は沢山ありますが、この店はなんせ建物がいい。2階分くらいの吹き抜けで、調度品も高級感があるのです。まるでニューヨークのカフェに来たみたい?こんなカフェが東京駅近辺にあるんだーと、 
東京再発見の発端となったカフェでした。今や丸の内は素敵な再開発のメッカになっているようで、銀座みたいにお洒落だけれど、意外と入りやすい店やカフェが並んでいます。歩道沿いにはこれでもか!と置かれた植物たち。
丸の内が殺伐としたビル街から脱却しようとしてるんだなあというのがよくわかります。


 DEEN&DELUCAは値段の割にはいつも紙コップで、味も特別というほどでもありません。でもこの店はまさに外国に来たかのような感じが気持ちがいいのでちょっとくらい高くてもまあいいでしょう。外国人率もかなり高いです。ショーケースのかわいいお菓子や輸入食品を眺めているだけでも楽しく、このあたりにくると結局ここに腰を落ち着けてしまいます。

 皇居からも近いので、なんとなく予定のない日にあえて東京散歩というのもありかもしれません。ちなみにクルミドコーヒー、パリカフェツアーの話はこの店で誕生しました。